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【後編】産地と出会う /アワガミファクトリー(徳島県 吉野川市)

2022.11.27 up text & photo/池田敦  visual photo/東海林えいこ

ondoが注目する産地&作家さんと共に開催する企画〈産地と出会う〉シリーズ。
作品制作やプロダクト作りなど、全国各地の職人と作家との出会いによって、新しい価値を発信していく試みです。今回ご一緒する産地は〈徳島〉。徳島を代表する産業、1300年の歴史を持つ“阿波和紙”を制作するアワガミファクトリーさんを訪ね、徳島県 吉野川市を訪れました。
前編・後編の2回に分け、和紙のことや今回の取り組み、アワガミファクトリーさんについてご紹介します。

【後編】産地と出会う /アワガミファクトリー(徳島県 吉野川市)

阿波和紙と作家。コラボレーションによって生まれた作品たち。

今回の企画では、普段から絵を描き、作品作りをされている4人の作家・イラストレーターさんに、阿波和紙を使って作品作りにチャレンジしていただきました。
まず、作品作りに向け、アワガミファクトリーさんと相談を重ね、7種の和紙 ※ をセレクト。描画することを想定した・白物系和紙。コラージュなどを想定した装飾性の強い和紙をバランスよくピックアップ頂きました。白物系和紙は、表面に滲み止め加工されており、直接の描写などにも適しています。和紙それぞれに使用原料や割合なども違い、作品制作にあたり使用画材との相性を探っていく難しさ&愉しさがあります。和紙の制作段階で落水によって模様付けする、麻落水紙 未晒。アワガミファクトリーの中でも最も人気のある商品のひとつです。近隣農家などから野菜などの廃棄する部分をいただき和紙に漉き込んだベジタブル紙など、個性的な和紙をどう作品に落としていくのかも見所の一つです。
作品作りの用紙を選ぶ中で「和紙」という選択肢が入ってくることで、創造性や表現を広げるきっかけのひとつになるのではないかなと感じました。

 
※白鳳、新いんべ110しろ、竹和紙250g/m2(水彩画用)・白峰・麻落水紙 未晒・ベジタブル紙(大根・玉ねぎ)の7種類

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    「ベジタブル紙(大根)」を使用した、玉川桜さんの作品。大根の葉を漉き込んだ個性的な表情の和紙をコラージュ素材として作品表現に。
  • 【後編】産地と出会う /アワガミファクトリー(徳島県 吉野川市)
    「麻落水紙 未晒」を使用した、三好愛さん作品。張りと光沢感が特徴の麻繊維を漉き入れ、落水模様をあしらった素材感の強い紙をパネル貼り。自身の世界観として作品表現。
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    「新いんべ」を使用した、せいのちさとさんの作品。木材パルプによる張りのある質感と表面強度に優れた面質が、色鉛筆のタッチを引き立てつつ柔らかな表現に。
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    「ベジタブル紙(玉ねぎ)」を使用した、橋本佳奈さんの作品。玉ねぎの皮の素材感とアクリル絵の具のタッチがうまく混じり合い奥行きある表現に。
【後編】産地と出会う /アワガミファクトリー(徳島県 吉野川市)

アワガミファクトリーさんについて。

「アワガミファクトリー」は、阿波和紙のブランド総称です。阿波和紙の始まりは今から1300年ほど前、忌部族(いんべぞく)という朝廷に仕えていた人たちが阿波の国に入り、麻や楮を植えて紙や布を製造したのが始まりと言われています。
江戸時代には阿波藩(徳島県)の御用紙のほか、特産の藍を使った藍染和紙により全国にその名が知られるようになりました。明治の最盛期には、紙すきの戸数も吉野川流域に500戸、川田川流域に200戸を数えました。しかし、特に戦後の日本が突き進んだ洋風化の波に押され、日常生活での和紙の需要は激減、ほとんどの業者が転廃業していきました。そんな中残った藤森家を中心に、1947年に阿波手漉和紙商工業協同組合が設立、さらに1952年に藤森家が法人化し、富士製紙企業組合を設立しました。1989年には、阿波和紙の啓蒙と継承を目的として阿波和紙伝統産業会館を設立、今や国内外から多数のアーティストが訪れています。
現在は国内外の販路を持ち、人々の感性に訴える和紙の魅力を活かした紙づくりに取り組む「アワガミファクトリー」。ondoとしては、和紙の伝統文化を守り継承するだけではなく、新しい素材の作り手として、むしろ和紙を「伝統」という世界から解き放し、さまざまな技法開発・素材の研究活動を続ける姿勢に共感。今後もアワガミファクトリーさんと協働しての作品作り&プロダクト制作に取り組み、東京や徳島などで定期的に発表する機会を作っていきたいと考えています。

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    機械漉きによって製造中の和紙ロール。「流し漉き」の手法を機械に置き換え、ゆっくりとしたスピードで漉くことで、天然原料の持つ光沢や風合いを活かしています。
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    阿波和紙伝統産業会館。阿波和紙の啓蒙と継承を目的に設立。 国内外からアーティストを受け入れての作品制作。手漉き和紙研修。徳島県内の小中学生対象の展示など多岐に活動。
  • 【後編】産地と出会う /アワガミファクトリー(徳島県 吉野川市)
    隣接する「いんべアートスペース」。アーティスト・イン・レジデンス事業の作品展覧会なども開催。アーティストと地域との交流の役割も担う。
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    「アワガミ・プリント・ラボ」は様々なプリント機を備えたアワガミ専用ラボ。大判インクジェットプリンターや活版印刷機やプレス機など、設備も充実。

ondo gallery(東京・清澄白河)にて展示開催

今回、アワガミファクトリーさんと取り組んだ阿波和紙の作品は、ondo gallery(東京・清澄白河)で開催する、-産地と出会う-『徳島のモノづくり展』でご覧いただけます。その他、徳島を代表する産業・藍染と作家さんのコラボレーションによって生まれた作品展示や、徳島のライフスタイルショップ・cue!さんに、コーディネートいただいた魅力溢れる徳島の商品やプロダクトを展示販売。ぜひお楽しみください。

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-展示開催-
EXHIBITION/産地と出会う
『徳島のモノづくり展』
11.25(金)-12.4(月) 12:00–19:00 ※28(火)・29(水) 休み
@ondo gallery 東京都江東区清澄2-6-12
https://ondo-info.net/creator/chikaihiromi/19455/

アワガミファクトリー
徳島県で1300年の歴史を持つ阿波和紙を製造・販売しています。
オーダーメイド和紙制作も承っています。
→URL_http://www.awagami.or.jp
→twitter_@AwagamiFactory
→instagram_@awagamifactory_jp

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